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変える勇気

先日の地震は東京でもかなり揺れましたね。
翌朝の通勤電車のダイヤは何も問題ありませんでしたが、私のお腹が事故りそうになるという緊急事態で遅刻した黒田です。

毎度昔の話ですが、私が子供の頃、鉄道で人身事故が起こると復旧までに3~4時間は当たり前にかかっていました。
朝のラッシュ時に起きてしまったら、もう午前中終了です。酷いときは半日かかっていました。
乗り合わせていた人達も大変だったと思います。
鉄道会社には「もっと早くできんのか!」という苦情がたくさん寄せられていたようでした。

ある時、ニュース番組でこの件が特集された時のことです。鉄道会社としては早く運転再開したいが警察の現場検証が終わるまで動かせない。というのが世間一般に知れ渡り、止まってる時間の半分以上は実は警察のせいだみたいな雰囲気になりました。
もちろん警察もわざと遅らせているわけでは決して無く、ただ、規則通りにやっていたのだと思います。
しかし、当時は事故発生時の状況のまま救急隊による救出と警察の現場検証を行い、すべて終わるまでなにも動かせないという仕組みでした。
確か警察側も「状況は認識していて、これでも急いでやっています」みたいな反論があったような気がします。
しばらくして、実際にどういうパワーが動いたのか分かりませんが、事故後は運転の再開を最優先とすることが警察と鉄道会社の間で申し合わされ、現場検証の一部作業は状況により後から行うのでもよいということになりました。

とはいうものの、その後すぐに早くなったかと言えばそういうわけでもなく、徐々に早くなっていって今の様に1時間もかからず運転再開できるようになったのは割と最近のことです。
警察と消防という役所を相手に綿密な調整を図り、仕組みを変えていくというのは、その結果の責任を負うということでもあり、鉄道会社側も相当な苦労があったことでしょう。
それを受け入れた警察側も同様に仕組みを変えた結果なにかあったらどうするんだという人たちの懸念もあったはずです。
何よりも安全を担う組織が今までの仕組みを変えることの怖さは想像に難くありません。

それでも、やればできることもあるのです。
それには、物事の本質が何かを見極め、追求する強い意志がないとなし得ません。
「警察と鉄道会社が申し合わせ」のたった十数文字の中にはそれぞれのドラマがあったのだろうなと私は思っています。
(無かったら済みません。)

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