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最高のチームワーク

総務部長の黒田です。

ネットを見ていたら、かつてハマっていたゲームのバナー広告を見つけて、懐かしさがこみ上げてきました。今回はそのゲームで起こった「大事件」についてお話しします。

このゲームはオンラインの対戦型ゲームで、私は10年ほど前にどっぷりハマっていました。今でも世界中で人気があり、賞金が出る世界大会も開催されています。大会は地域予選を勝ち抜いてやっと本選に進めるほどの規模です。

基本的には16対16、合計32人が自動でランダムにマッチングされて戦う形式ですが、あらかじめチームを組んで参加することもできます。大会はチーム戦のみで、チームを組むと役割分担や作戦を事前に決められるので、圧倒的に有利です。私は好きなときに集まるようなぬるい感じのチームに所属していました。 普段は7~8人くらいしか集まらないチームで、勝ち負けよりもチャットでまったり過ごすのが目的のようなもの。 時々「ちょっとコンビニ行ってくる」なんて言いながら、一戦して戻ってくることもありました。

さて、その「事件」が起こった日。 なぜか普段は集まらない16人がピッタリ集まりました!  せっかくなので「チームマッチやろう!」ということに。 普段の勝率は4割くらいなので、いつも通り、勝ったり負けたりを繰り返していました。 夜も更け、これが最後の試合になるかなと思っていた時、マッチング画面に表示されたのは…なんと、日本屈指の強豪チーム!「うわ、マジか!」「はい、お疲れー」「終わったー」 チーム内は阿鼻叫喚の大騒ぎ。 名前は知っていましたが、マッチングされたのは初めてでびっくりでした。 でも、私たちはガチ勢ではないので「まあ、負けるだろうけど、気楽に行こう」といつも通り挑みました。

試合が始まると、みんななんとなくいつもより慎重(笑)。 しかし、序盤で早くも3人がやられてしまいます。うわーやっぱうまいなーと感心・・・している場合じゃない!

盤石な敵の布陣に早くも暗雲が立ち込めます。(注:まあいつものこと)

・・・でも、おわかりでしょう?

このままアッサリ負けた話をわざわざブログにアップしません(笑)

はい、勝ちましたー!! 最終スコアは8:0の圧勝です。(相手を全滅させたら勝ち)

勝因は何だったのでしょうか?
実は、相手チームは統率の取れた強力な指揮系統がありました。一方、私たちは緩いチームで、リーダーが開始前に簡単な指示を出したあとは、各自が自由に動いていました。この「統制のなさ」こそが勝因だったと思います。

相手チームは個人の能力も非常に高いメンバーがそろっていましたが、一人の司令官により統制されていることにより必ずしもその個人の能力を発揮しているとは言い難く、チームの頭脳としては一人の能力でしかありません。 我々はその時、個人が自分の役割をその状況に応じて判断、行動したことにより結果としてのチームワークが成立しました。 各自が最適に自律したことにより、刻一刻と変化する状況に瞬時に適応し、その能力を遺憾なく発揮したのです。 それは統制されていないからこそできたのです。 緒戦でやられた3人の犠牲も無駄ではありませんでした。敵の布陣情報と、油断をもたらしたのです。

この時点で、ゲーム上では16対13でしたが、実際には1対16の戦いだったといっても過言ではありません。

誰がというわけでもなく自然とチャットには敵の情報だけでなく様々なやり取りが流れはじめ、誰が指示しているわけでもないのに各自がなすべきことをなさんと速やかに陣形を変えていきます。 するとそれ見て察した他のメンバーが続いて合わせるという、それは全員の思考が繋がっているかのような迅速な動きでした。 普段緩いチームのメンバーとは思えない「本気を出した瞬間」だったのです。
優れたリーダーも重要なのですが、フラットに一人一人が為すべきことを自ら考え、最適な行動をした結果により発生したチームプレイは、それに優るということです。

ただし、もう一度やっていたら確実に負けていたでしょうね・・・やっぱり、あの緊張感があったからこそであって、そんな本気が毎回出せていたら勝率4割なわけがありません。(笑)

常に戦闘力を発揮できる強豪チームと、たまに本気出せた時だけ強い我々との違いはそこです。

同じような例がもう一つあります。
これも昔の話ですが、ミリタリー雑誌が主催したサバイバルゲーム大会で、記念すべき第1回の優勝チームが、個人参加の即席チームでした。その日に初めて会った人達で構成したチームです。それも、現役自衛官チームに勝っての優勝です。
形式上のリーダーすらいないチームであっても、個人が状況に応じて最適な行動をとったことに伴うチームワークが発揮された結果でしょう。

ここまで読んだ方は「チームワーク」というものをどう考えられたでしょうか?
チームワークというと、劣ってる部分をフォローしあって何かを成し遂げる感動ストーリーが思い浮びませんか? しかし、真のチームワークとは適材適所で能力を最大限に発揮させることではないかと私は思っています。

弊社の組織はこれを目指しています。
少数精鋭でやっていますというのは、苦し紛れの言い訳ではなく、そうしなければ実現できないからです。
そして現実にそうなりつつあるチームも育ちつつあり、私もますます進化させるべく尽力したいと思います。

上記の事件後、悲しい後日談があります。実は、ゲームの相手チームには私のゲーム内のフレンドがいたのですが、彼によると試合中に劣勢になったあたりからリーダーが暴言を吐き始め、試合後にはチーム内で罵り合いが起こったそうです。

結果、有力なメンバーが抜けてチームは急速に衰退してしまったそうです。 ガチ勢ゆえの悲劇と言えましょう。

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