総務部長の黒田です。
2014年、SONYのパソコン部門が業績不振により、そのブランド名を冠したVAIO株式会社として分離独立したことは記憶に新しいと思います。
VAIOの立ち上げが1996年ですので、18年の歴史だった訳ですが、関係会社を含め初期の頃を知っている人がまだまだ現役のはずで、SONYから分離するとニュースで知ったときには、きっと愕然とされたことでしょう。
新生VAIOになってしばらくしてから、弊社でもVAIOのパソコンを買う機会が訪れました。カード決済だったので、領収書の送付を依頼したところ、しばらくして茶封筒が届きました。
シンプルな茶封筒に、VAIO株式会社というスタンプが押してあり、宛名は手書きでした。入っていた領収書も、恐らく社内のプリンタで印刷されたもののように見えました。
それを見て、
いいじゃないか!!
ちょっと感動しました。
SONY時代であったなら、オリジナルのデザインがあしらわれたオシャレな封筒に、専用印刷されたステキな領収書が入っていた事でしょう。
でも今、VAIO株式会社は最もシンプルかつコストを考え、それでいて手書きのひと手間をかけた方法で領収書を発行しました。
私がVAIOファンだからの感動もありますが、VAIO株式会社として分離独立してからほどなくV字回復したのも頷けます。
SONYという巨大組織ではなかなかやりにくくなっていたことが、VAIO株式会社としてコンパクトになったことでできるようになった。これは、裏を返すと大企業における組織の運営方法には、業績アップのための大きなチャンスが眠っているとも言えます。
話はそれますが、お客様のご相談を承る中で私はしばしば、(何でもかんでも)一律の仕組み、決まりで縛ることは、一見効率よく見えて、実はそれを管理する側のご都合ありきになってないかな?と思うことがあります。
もちろん管理側への考慮はとても大切なことなのですが、あまりなんでも一律縛りをしてしまうと、一意的な管理で足りるので人の頭を使わなくて良くなる=システムで管理できれば十分となる。
そうして手を離れると、もはや決まり、そういうシステムなので変更はしにくくなる。組織やシステムが大きくなるとなおさらで、「本部では変更できないそうなので、現場の作業をどうにかできないか?」
そんな会社さんを度々目にしてきています。
きっと「できない」ではなく「したくない」から始まって、いつの間にか「するべきではない」と正当化してしまっているのではないでしょうか?
「環境に適応しすぎた種は滅びる」
状況に対応する柔軟性を失った結果に必ず訪れる末路です。
ちなみにこういう場合特に、問題が起きると全部を一律規制で解決するルートに陥りやすく、そうなると誰の得にもなりません。
死亡事故が起きたから、自動車を禁止するとはならないはずです。さすがにちょっと飛躍しすぎ感はありますが、とはいえ当たらずとも遠からずではないでしょうか?