総務部長の黒田です。
むかーし、バイトをしていた某企業の営業所の所長は昼行灯と言われていました。
時々鋭いことを言うのですが、基本的には何も仕事せず1日を過ごし、トラブル対応などでてんやわんやになったとしても決して手伝うこともなく黙って座っているだけでした。
所長が少し動いてくれれば治まるようなことであっても、決して動かず、それによって損失が増えようがお構いなしの様子でした。
私があるとき、どうして所長はああなんですかね・・・とぼやいたとき、ベテランの事務のおばちゃん(社員)がしみじみと言いました。
「昔は本社のバリバリ営業マンで、すごい人だったんだけどね。」
ええええ!
「派閥のボスがね、出世競争を降りる代わりに自分だけいいところに納まっちゃってね。」
おばちゃん曰く、その後、置いて行かれた部下は悉く左遷され、所長も本社勤務から外されて、田舎の営業所長として赴任してきたというのです。
それ以来、やる気をなくして昼行灯になってしまったということでした。
なにが驚いたかって、所長はかつて本社勤務などしたことがない田舎の営業所のおばちゃんにまでその名が轟くほどのスーパー営業だったということです。
今でこそ、肩書だけでない働き方というのが言われていますが、当時はまだ出世こそ正義みたいなところがありましたからね。
まだまだ若かった私は、この営業所で頑張って見返して、本社に返り咲くとかいう気概はないんですかね!などと甘っちょろいことを言ってしまいましたが、一度第一線を外れた人が返り咲くというのは、主流派が一掃されるような大スキャンダルでも起きなければ無理だったでしょう。
そして私がその会社のバイトを辞めてから数年後、部門が分割されて競合他社に売却されたというニュースを耳にしました。
基本的に仕事のパフォーマンスはやる気に連動しており、優秀だった人が仕事ができなくなったのだとしたら、能力が無くなったのではなく、やる気をなくしているだけなのだと思います。
色々なきっかけはありますが、殆どは自分自身にというよりも、会社や環境が原因になっていることが多いです。
優秀な人材のパフォーマンスを得られぬまま雇い続けるくらいなら、組織をコンパクトにセル化して権限を与えるなどして活躍のチャンスを与える方がよっぽど会社のためになるのになぁ。などと言ってみたものの、この手の話は会社の規模や抱える問題もそれぞれなので、そう簡単にうまくいくものでもないですが。
弊社でも日々試行錯誤しながら、「やる気をもち続けられる会社」をやる気満々で目指しています!