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痛みの伴わない改革はない

総務部長の黒田です。

業績の良い会社を参考にして新しく制度を取り入れたり、既存の制度を変更したのに、ぜんぜん効果が無かったということはありませんか?

その原因はただ一つ、手段と目的を取り違えてしまったからです。

非常にシンプルで分かりやすい実例をご紹介します。
ある工場で、毎朝ラジオ体操をやっている工場はそうでない工場と比べて業績がよいという話を聞いてきて、早速取り入れてみました。

・・・はい、当然のことながら業績はアップしませんでした。

ラジオ体操やっただけで業績が上がるなら苦労しませんよね・・・当時そこでバイトしていた私もそう思いました。(笑)

相関関係と因果関係を取り違えてはいけません。

業績が良い工場はラジオ体操している(相関)が、ラジオ体操しているから工場の業績が良い(因果)わけではないのです。いろいろな要素があるなかの一つがラジオ体操だっただけであって、部分的に真似をしてもダメなのです。

一方、考えすぎてダメな場合もあります。

それは、自社向けに内容を変更することです。

仕組みを変更してしまったら、それはもう別のものです。制度を仕事に合わせるのではなく、仕事を制度に合わせなければ、結局仕事は今までと何一つ変わりません。むしろ手間が増えるだけで仕事の効率が下がります。

ここが一番重要なところです。

優れた制度があるのに今の仕事のやり方では適用できないということは、仕事のやり方が間違っています。

改革に痛みを伴う理由がまさにここです。仕事のやり方を変えるとなると、変えたくない勢力と必ず論争となります。誰にも反対されずに適用できる制度は、そもそも誰も興味がないし効果も無いようなものでしかありません。

ましてや聞きかじってきた中途半端な制度の変更ばかりしていては、改革疲れに陥って組織のモチベーションが下がるばかりです。
取り組む側は相当な覚悟をもってやらなければ、業務の改善にはならないでしょう。経営幹部の方々は肝に銘じていただきたいと思います。

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