毎週金曜日の午前中は進捗報告会議です。
私が引き継ぐ前までの進捗状況は各社とも順調、いまも相変わらず順調のようで、
・・・んなわきゃない!(懐かしい方はいるはず)
これだけ課題管理表が膨れ上り、会社間でもぎくしゃくとしているのに順調に進んでるはずは、、、ないですね。
とりあえず私は進捗会議の中で、もっともらしい理由を付けながら、今後は進捗報告書だけでなく進捗報告に応じたソースコードを一緒に提出してもらうのはどうか?と提案してみました。
それを発言した瞬間の各社のざわつきといったら・・・(笑)
その日たまたま参加していたお偉いさんのお墨付きもあり、翌週から自己申告(進捗報告書)だけではなく証拠(ソース)も提出する ことになりました。
ソースコードは、もともと事業統括でバージョン管理することになっていたのですが、管理を開始するのは試験フェーズに入ってからで、まだ製造フェーズの各社は完全に不意打ちだったと思います。
今まで報告した分はすでにあるはずだからすぐに出してくださいという指示が出たのですが、案の定、なかなかソースコードは出てきません。
結局、一週間後の深夜までかかって格納された各社のソースコードは、報告されている進捗率に満たないものでした。
やっぱり。
各社、ソースコードを格納したことを知らせるメールには、もれなく言い訳が添えてあります。
内容もちょっと・・・いや、かなり苦しい(笑)。
いくつか中身を見てみますと、実質中身ゼロのファイルも見受けられました。間に合わせであわてて作ったんだろうということが容易に想像できました。
まさか中までチェックするとは思ってなかったんでしょうね。
さて、ここからが大変です。これをそのまま翌日の進捗会議で報告したら大変なことになります。徹夜明けの私では乗り切れない。(笑)
私の任務はプロジェクトを進めることであって誰かに恥をかかせることではありません。
ならばいっそのこと、各社の言い訳に乗っかって、内容をうまく繋げてストーリーをでっち上げることにしました。
ソースコードの提出にあたり、実績をもとに今後推測される製造規模の見直しを行った結果、母数が変わってしまったので、進捗率が下がってしまいました。厳しい結果ですが、今のうちに判明したのは幸いです。各社も気を引き締めて対応願います。
そんなようなことを言ったと思います。まぁ、ほぼ嘘ですね。(笑)
誰が悪いというのではなく、実際一部に仕様や設計の変更なども当然出ていたので、今のうちに再検討したら実績が変わってしまった、という雰囲気にしました。
プロジェクトマネージャーも苦言を呈しつつも、しかしそんなに怒るでもなく叱咤激励という感じで何とかその会議を終えることができました。
とはいえ、すべての会社が一転して進捗遅れとなったので、翌週からはリカバリー対策とその結果も報告しなくてはなりません。
各社もいよいよ本気出さねばならないという動機付けにもなったようで、今までの様に相手待ちでのんびりやっている訳にはいかないと、次第に各社の方から課題解決のために取り持ってほしいという連絡が入るようになりました。
すると、ありとあらゆる情報が私に集まってくるようになりました。もはや小出しにしたり、誤魔化してる場合ではないという事なのでしょう。挙げ句には、それは100%あなたの仕事でしょというものまで頼んでくる人まででる状況。(笑)
しかしその結果、プロジェクト全体の状況が霧が晴れたように非常に鮮明に見えはじめ、どこが詰まって流れを止めているか報告書だけでは分からないリアルな動きまで把握できる様になりました。
あとはひたすら詰まりを解消していくだけです。
ようやく私は嘘をつく必要が無くなったのです。(笑)
ここまで来るのに大体1年ぐらいかかりましたが、めでたしめでたし・・・ではなく、このあとも、試験フェーズではまた擦った揉んだがあるのですが、それは一旦置いときます。
以上、3回に渡って長々とやってきましたが如何だったでしょうか?
コミュニケーションの取り方にも色々あるよの特殊な例であり、たまたまうまくいっただけで決してお勧めできる方法ではありませんが、何かの参考(?)にしていただければ幸いです。あしからず。